「秘密基地トイレ最終決戦!④〜雨の決戦〜」第255回サルシカ隊がいく

投稿日: 2014年05月01日(木)08:25

s255-01写真/フォトグラファー加納 文/サルシカ隊長

サルシカ秘密基地に水洗トイレをつくる最終決戦の日。
やはり雨であった。
ぽつりぽつりと雨が落ちる中、工事は始まった。

前日までに外壁工事が終わったので、キャンピングカーのサルシカ号を元あった場所に戻す。
もちろん人力。
隊長のワタクシはサルシカ号に乗り込んでブレーキ係。

「押して〜」
「もっと〜」
「押して〜」
「もうちょっと〜」
「ああああああ、ストップ〜!!!!!」

ワタクシはもう必死にブレーキを踏みましたともさ。
ちょっとでも遅れようものなら、せっかくつくりあげてきたトイレにぶつかり、なぎ倒してしまうのだ。

サルシカ号はトイレの外壁から10センチほどのところで止まり、そこに鎮座した。

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続いてサルシカ号をジャッキで固定。
一度固定してあったものを、外壁がつくれんという理由で外してまた固定しているのだ。
今度はウッドデッキの下にもぐってやらねばならぬ。

こういう仕事を先陣をきってやるのが隊長の仕事である。
果敢にもぐる。
と、やまきの大将のやまちゃんが、ワタクシが出て来られないように足で邪魔をする。
齢60を超えたおっさんのやることではない(笑)。

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トイレの裏側では、設備屋の佐野さんを中心に給排水の工事が進んでいた。
その道のプロがやるのだからばっちりと進む。
心強い。

トイレからの排水管はあっというまに浄化槽へとつながった。
枡を入れたり、ルールに従ってしっかりとやってもらう。

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雨の中で大笑いする小山さん。
時間が経つごとに雨は強くなってきた。
しかしなぜ小山さんは雨に濡れて喜んでいるのか。
理由は永遠にわからない(笑)。

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屋根関係はすべて完了しているので、多少の雨なんぞ平気である。
風邪を克服した大工のT橋さんは、ようやくいつもの大工さんの顔になってトイレの内側の工事。
みつやのお父ちゃん、やまきのやまちゃんを中心に、ウッドデッキの拡張工事も進められる。
これで事務所からトレーラーハウス、そしてサルシカ号からトイレまで、回廊のようにウッドデッキでつながるのだ。

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きのうに引き続き、横山の金さんもヘルプにきてくれた。
彼はトイレ内の電気工事。

実は金さんは屋内電気工事の免許を習得しているのだ。
本業はぜんぜん違う仕事だが、あくまで趣味でとったという。

「工事をやったことがないペーパー電気屋なんで、電気がつかなくてもお許しください〜」

と言いつつ、本格的にやっている。

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シンガポール在住のアンジェラ隊員も初参加ながら、機械をつかいこなし、内装工事にいそしむ。
いいなあ、こういう女性は。
男女共同参画とかいろんなことが言われているが、サルシカ隊に男女の差別はないのだ!!

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お昼は定番のカレー。
雨が降っているのでメインウッドデッキの下で。
こちらはすでに完成しているので雨でも居心地がいい。

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雨でもこんな眺めを楽しみながら食事ができる。
本当にぜいたくな秘密基地だ。

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食後。
みつやのおとうちゃんとやまきのやまちゃんはガーデニングコーナーへ(笑)。
見事な芝桜はみつやのおとうちゃんが植えてくれたもの。
ありがたや。
芝桜の中にはやまちゃんが植えてくれた盆栽もある。
ここは二人の趣味のコーナーだ(笑)。

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午後も工事は順調に進んだ。
佐野さんによって給水工事は完了。
トレーラーハウスの手前で分岐し、バルブまでつけてくれたので、こちらだけ給水をカットすることができる。
すこぶる便利なのだ!!
ありがたや。

トイレ前のウッドデッキは完成し、今度はトレーラーハウスとサルシカ号の間をつないでいく。
渡り廊下みたいな感じ。
こういうのは面白くていいのだ。

ワタクシは田端隊員と手すりをつける。
バリアフリーとはいかなくても、なるべく使いやすいトイレにしたいのだ。

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そしてついに小山さんがコテを持つ。
彼は石窯をもつくったプロの左官屋さんである。
壁に漆喰をぬるまえに下準備を。
そして拾ってきたタイル(笑)をトイレの床に貼っていく。

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切るべきところを切り、しっかり目地も埋めて完成!!
プロがやってくれたんだから、それはもう完璧な出来栄えだ!!

みんなで完成の拍手〜!!!!!

が、ここで。
誰かが「あれ?」と声を出したのだ。
トイレの中には当然便器を置くのでその給排水の穴は開けられている。
が、手洗い用の、あるべきところに給排水の穴がない。

「あっ」

その声を発したのは大工のT橋であった。
大きく口を開けたまま凍りついている。

「忘れてた、すっかり、わはははは」

笑ってる場合ではないのだ。
鏡やカウンターをつける下地まで準備し、ここまで完璧にやってきたのに、なぜそんな大事なことを忘れるのであるか!!!

「ま、あとでもつけられますから。穴を開けりゃあいいんですから、へへへへへへ」

こういう場合の「あとで」というのは、えんえん先になる。
サルシカ秘密基地でうんこをして手をあらうことができるのは一体いつになることか。
もはや神のみぞ知る、である(笑)。

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こういう失敗があっても宴会だけはしっかりやるのがサルシカ隊である。
さすがに2日目は鍋とかバーベキューの用意をする時間がなかったので、スーパーで買ってきた惣菜で。
が、ここにもトンデモナイ罠がしかけられていた。

なぜか唐揚げが8パックもあるのだ。
しかもチリソース煮の唐揚げも2つ。
ささみフライってのもなぜか2つある。

つまり鳥ばかり。
しかも揚げ物ばかりなのだ。

「なんじゃ、こりゃ〜!!!!」

最近めっきり脂っこいものがダメなおいちゃんたちは口々に叫ぶ(笑)。

買い物にいったムネちゃんは、なぜみんなに責められるのか意味がわからんという表情をし、そして隊長のワタクシに言うのだ。

「だって隊長が唐揚げ買ってこいと言うたやないですか」
「いやいや、唐揚げとかいろいろお惣菜を買ってきて、と言ったんじゃ」
「だから唐揚げも買ってきましたよ」
「唐揚げも、じゃなくて、唐揚げばっかりやないけぇ!!」

果たしてこの夜。
唐揚げをまず食べたわれわれはすぐさま胸焼けし、胃袋と共にどんよりした宴会となった(笑)。

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そして当然のごとく、
各自食べ残した唐揚げは、ムネちゃんの皿へと運ばれ、「残った唐揚げ全部食うまで帰さない」刑に処されたのであった(笑)。

サルシカ秘密基地、最後の大工事はこうして終わった。
あまりに冴えない終わり方だが、事実だから仕方ないのだ。

が、しかし。
トイレにはまだ便器が入っていない。
最後の仕上げは、やはりあの人なのだ。

いよいよ次回、最後の仕上げ!!
恒例の「残業」で、ついにサルシカ秘密基地の水洗トイレは完成する!!!!